原価管理

飲食店 適正在庫とは

仕入原価を管理するには、「適正在庫」の考え方を学ぶ必要があります。ここでは、適正在庫に基づいた仕入原価の管理方法を説明します。

<前回内容>原価の基礎知識 仕入原価はこちら

適正在庫とは

仕入れた食材がすぐに全て売れればよいですが、売れなかった場合、「在庫」となります。

特に生鮮食品などは、仕入れたらすぐに販売しないと腐敗して売れなくなり、廃棄処分しなくてはなりません。

逆に仕入れた食材が少なすぎると、販売できなくなり、「機会損失」となります。

※機会損失とは、販売したいときに売り切れ等により、販売する機会を失い、結果として売上減につながること。

 

上記を解決するために、飲食店では販売計画に基づいた適正な在庫を持つ必要があるのです。

 

では、何を基準に仕入(発注)すればよいのでしょうか?

 

仕入の基準は「売上予測」(来店数、商品の出数)です。

現場で見かけるのは、何を基準にして発注すればよいか分からず、月末が近づいてくると、発注を極端に抑え、 抑えた分を翌月の月初に大量発注するお店があります。

発注を抑え過ぎたが為に、お客様が食べたい商品が品切れで ご提供できなかったら、お客様はどんな気持ちになるでしょうか。

また、毎月末が近づくと、売り切れになっている商品が多々あり、それがお客様の食べたい商品であった場合、月末が近づくにつれて、お客様の来店数も減少し、売上減につながる恐れもあります。

そうならないために、適正在庫の考え方をしっかりと学んでいきましょう。



適正在庫の考え方

では、どのように発注をすればよいのでしょうか?

ここで考えてほしいのは、「適正在庫」という考え方です。

 

在庫を持っていれば品切れによる機会損失を防げます。

しかし、在庫は現金化していない資産ですので、 抱えすぎると支払いができなくなり、運営に 支障をきたします。

 

まずお店が、現在、何日分の在庫を抱えているのかを、在庫日数の計算式より算出してみましょう。

 

在庫日数の計算式

(棚卸額÷理論原価率)÷(年間売上÷営業日数)=在庫日数

 

<計算式の説明>

(棚卸額 ÷ 理論原価率)・・・現在、お店にある在庫を全て販売したときの売上高が算出されます。

(年間売上を ÷ 営業日数)・・・一日当たりの平均売上高が算出されます。

したがって
在庫日数とは、現在、お店にある在庫は何日分の売上に相当するのかということです。

 

■具体的に数字を当てはめて計算してみます。

棚卸額が60万円 理論原価率30% 平均売上50万円 の場合、

 

60万円÷30%÷50万円=4日(在庫日数)

 

現在このお店は4日分の在庫を抱えている。ということです。

飲食店の場合、およそ4日ぐらいの在庫を適正在庫としています。

 

その理由は、業者の納品頻度、売上予測以上の来店または出数、

仕込み等(熟成品)などがあった時に機会損失を防ぐ為です。

 

仮に、業者の納品頻度が週末含む毎日なら適正在庫を減らせます。

ですので、納品業者にはできるだけ納品頻度を多くしてもらえるよう交渉してみましょう。



発注管理

仕入額を決定するには、売上予測(出数予測、客数予測)が必要です。

明日の売上予測が10万円で目標原価率が30.0%なら 仕入額は3万円です。

 

上記はあくまでも日配の場合です。日配の場合は、1日分の使用量+予備1日分。週配の場合は、1週間分の使用量+予備1~2日分を目安とし、自店に合うよう調整しましょう。

 

その為には、発注時に発注金額が分かる必要があります。

<発注時に発注金額を知る三つの方法>

■ 発注前に発注する金額を電卓で計算する。(各商品単価×発注数)

■ エクセルで発注表を作成する。

在庫数を入力すると発注数が自動計算されるよう事前にフォーマットを作成し、タブレットなどに入れておけば、食材保管庫で実物を確認しながら作業することも可能です。

■ 「インフォマート」等の発注システムを導入する。



検品作業のポイント

検品作業とは、業者が納品したときに、納品業者とともに、発注した食材等が正しく納品されているかを確認する作業のことです。

 

➀ 発注書と納品書の数量と金額に間違いはないか

➁ 納品された食材の状態は良いか

➂ 納品日、納品時間は守られているか

➃ 指定された場所に納品されているか

⑤ 未納品、返品があった場合の再納入はいつか

 

上記の内容は必ずチェックしておきましょう。

また、店舗営業時間が夕方や夜になる場合、置き納品となることもあると思います。その場合は、従業員だけの検品となりますが、必ず実施しましょう。

置き納品の場合、バックヤードに冷蔵冷凍庫などの保管庫があれば、生鮮食品は業者に保管してもらうよう契約前に伝えて了承してもらうことが重要です。バックヤードがない場合は、店舗の鍵を渡す方法もあります。その場合、鍵預かり書などを作成し注意事項等を書面で納品業者の本部と契約しておくことが重要です。



まとめ

・仕入原価とは仕入れた食材の材料費のこと。

・仕入原価を売上で割った数値が仕入原価率

・仕入原価率を使用し日々の原価管理を実行。

・お店の適正在庫額を決定し機会損失を防ぐ。


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asuka

はじめまして。当ページを運営している、Asukaと申します。 長年、飲食関係に従事し、そこで得た経験や知識を基にした内容をメインに、記載していこうと思っております。 どうぞ宜しくお願い致します。

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