原価管理

飲食店 6つの食材ロスの原因と対策

飲食業は機械化が進んでいるとはいえ、まだまだ人の手による作業が多く、特にすべての調理を人の手がする場合、ロスは避けては通れません。ここでは、食材ロスを出来るだけ減らすために、食材ロスの原因と改善策を説明します。

<前回内容>飲食店 適正在庫とははこちら

食材ロスとは

店舗で調理していると、誰もが一度や二度、調理過程で失敗して販売できなくなってしまった商品があると思います。あるいは、売れると思って仕入れた商品が売れ残り、廃棄せざるを得なくなったり。

ロスとは、お客様に提供する前に販売に至らなかった食材のことを言います。



食材ロスを調べる2つの方法

1)目で見て確認できるロス

調理前にすでに食材が傷んでいたり、賞味期限が切れていたりした場合。
■調理過程で失敗だと認識した場合。
■調理後にオーダーミスにより提供できなかった場合

「目で見て確認できるロス」は素早く対策を講じることが可能です。

 

2)目で見て確認できないロス

■レシピ通りに作っているつもりでも、基準以上の盛付を行っている場合。

レシピにはそれぞれの食材の使用分量を細かく指定していますが、実際に現場で調理する過程で、全ての食材を計量しながら作るということは不可能です。それにより、少しづつ使用量が増える(オーバーポーション)ロスです。

■盗難ロス

従業員(社員・アルバイト)による食材の搾取です.

大手チェーン店から中小個人店とはず、起こりえるロスなのです。従業員教育と徹底した管理で防ぐことは可能です。

■実際原価から理論原価を差し引いたときにプラスになっている場合。

この計算はロスを含んでいるため、実際にはプラスになります。飲食店の場合この数値を、±0.5%以内に抑えましょう。

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「目で見て確認できないロス」は原因の特定に時間を要する可能性がありますが、下記内容を参考にすれば減らすことは可能です。



食材ロスの6つの原因と対策

在庫ロス

<原因> これは、過剰な発注や発注間違いにより、在庫として保管中に傷んでしまったり、賞味期限切れとなり処分しなければならなくなったロスです。また、商品アイテム数が多いと、在庫商品のアイテム数も増加します。管理が行き届いていない場合、紛失のおそれも出てきます。
<対策> 適正在庫や適正発注を守ること。季節により販売数が変化する商品があれば、随時、在庫数や発注数の見直しを行う必要があります。また、納品時に賞味期限の記載がある食材は確認し、整理整頓をした上で、先入れ先出しを徹底しましょう。

高級ワインのように仕入価格も高く、頻繁に売れない商品がある場合は、その取扱いをどうするのかを検討した方が良い場合もあります。

また、発注ロットが多い食材もロスがでるようなら、業者に相談したり、思い切って取り扱いを中止する判断も必要です。

常温で保存の場合は、食材専用の棚を用意して、そこに保管するようにします。その場合も先入れ先出しを徹底し、棚割りを事前に決めておきましょう。

 

2 保存ロス

<原因> 冷蔵庫や冷凍庫への生鮮食品の保存や、仕込み済み食材の保存のことです。過剰発注や発注間違い、仕込み量の間違い。先入れ先出しを怠ることで発生します。また、冷蔵冷凍庫の温度管理が適切に行われていなかったり、機械の故障により腐敗や変質がおこることもあります。

<対策> 生鮮食品の場合、保存方法が食材ごとに異なります。その食材に合った方法で保存します。仕込み済み食材は、容器の洗浄と消毒をおこない、できるだけ空気に触れないようにして、良い衛生状態のもと保存するようにします。また、保存容器には、作成日、作成者、賞味期限を記入して、使う前には匂いや味が適切なものかを確認します。

先入れ先出しを徹底するとともに、「棚割り」を行い整理整頓を使用するたびに行うようにします。棚割りを行うことにより、ピーク中でも素早く食材を取り出すことが可能となります。

冷蔵庫や冷凍庫など機械類は新しい古いに関わらず、いつ故障するかわかりません。なので、温度管理やメンテナンスは取扱説明書を参考に実施してください。

飲食店では冷蔵庫や冷凍庫が複数あるのが一般的です。お店の規模や売上にもよります。一日に何回か決まった時刻に「温度管理表」を作成して、チェックするようにしてください。特にオープン前と閉店前は必ず実施しましょう。

 

3 調理ロス

<原因> 調理過程や仕込みの過程で、味付けの失敗、煮こぼし等により、レシピ通りではない調理を行ってしまうことです。

<対策> レシピがない場合、レシピを作成しましょう。レシピには必ず分量と手順を記載します。それにより「基準」が作られます。基準を作ることのより誰が作っても同じ味になるのです。また、調理過程で失敗しやすい過程があれば、指導時に教えることも大切です。

 

4 廃棄ロス

<原因> 人為的ミスにより、使える食材を廃棄してしまった場合です。魚や肉などの歩留まりロス。

<対策> 魚や肉を扱う専門店ほど気をつけなくてはなりません。近年、漁獲量の減少により魚はどれも高騰しています。肉も同じです。従業員が歩留まり意識を持つことが大切です。

 

5 盛付ロス

<原因> 基準以上の盛付(オーバーポーション)や盛付の順番、盛付位置などを間違えてしまうことです。

<対策> レシピを作成していても、実際に調理をする過程において、全ての食材を計りながら調理することはありません。しかし、「準備」の段階で食材ごとに分量を計量し、小分けにしておくことである程度防ぐことは可能です。また、メニューに商品画像を掲載していれば、メニューと同じ盛付で提供しないといけません。お客様がイメージした商品と異なる盛付の商品を提供すると、落胆してしまうことも多々あるからです。商品画像をキッチンに張り付けておく等工夫しましょう。

 

6 販売ロス

<原因> オーダーの聞き間違いにより、注文と異なる商品を作ってしまうことです。

<対策> 受注(注文伺い)を従業員が口頭でお受けするお店であれば、「オーダーの復唱」を徹底することで減らすことは可能です。ハンディー等の機器による受注の場合は、早く正確に打ち込めるよう訓練してください。



基準なしでは管理はできない

上記で説明した、レシピの作成や食材保管による棚割りの決定。食材ごとの保管方法などをすべてレシピ化、マニュアル化しておきましょう。

そうすることにより、誰もが同じ価値観でお仕事ができるのです。人によって教える内容がことなると、教えられる側は混乱します。レシピやマニュアルがあることにより、誰が調理しても、いつも同じお料理をご提供することができるのです。



食材ロス管理表を作成する

食材ロスをその都度、「食材ロス管理表」に記入し、その分を実際原価計算時に差し引くとロスを含まない実際原価として算出されます。

すべてのロスをその都度チェックするのは不可能ですが、早期に原因を特定でき、素早く改善策を講じれば、ロス削減につながります。

多忙なお店であれば、ホワイトボードを用意して、「食材名」または「商品名」をその都度記入し、閉店後などに食材ロス管理表に書き込みましょう。

近年多くなっているキャンセルロス

キャンセルロスは昔からあったのですが、近年ニュースにもなるほど増えているようです。予約時にコース料理等の入金を先にしてもらうシステムが一部で始まっていますが、中小個人店まで普及するには、まだまだ時間がかかると思われます。

下記の対策は実際に店舗で実施し成果を上げた対策です。参考にしてみて下さい。

 

キャンセルロスの対策

■お電話での予約の場合、過去の予約者リストをエクセルで作成して、名前検索を使い、新規かそうでないかを確認する。

予約リストをエクセル管理でなく、ペーパー管理なら、この際、予約リストをエクセルで管理することをお薦めします。

エクセルで管理できていれば、お名前を入力するだけで、過去の履歴を参照することが可能です。時間にすれば数秒。

予約リストをエクセルで管理できれば、DMなど店側の情報を送ることも可能になります。飲食店はこの先、顧客の囲い込みが勝敗を分けるときが必ずきます。特に優良な顧客をどれだけ囲い込めるかで生き残れるかどうかが決まるのです。

■大人数でのご予約の場合は、店舗に来ていただき受け付ける。

■情報サイトからのご予約の場合は、キャンセル規約を設定する。

■一日前にご予約様へ確認のお電話を入れる。



食材ロスをなくす商品政策

商品の中には、出数の高い商品(回転が高い商品)もあれば、出数の低い商品(回転が低い商品)が必ずあります。毎日、調理していれば感覚でもわかりますが、ABC分析を行い数字で確認してみましょう。

Cランクの下位商品は削除または入れ替えを検討したり、一つの食材を何品かの商品に使いまわすような商品政策に切り替えてみて下さい。

大手チェーンのメニューをよく見ると、一つの食材をいくつかの商品に使っているのが分かると思います。

このようにすることでも食材ロスを防ぐことが可能です。



まとめ

飲食店では人の手によることが多い為、ロスをゼロにすることは不可能です。しかし、ロスを減らすことは可能です。

ロスの目安は、実際原価率 - 理論原価率 = ロス率(0.5%以内)

是非、上記を参考にロス削減にチャレンジしてみて下さい。


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  • この記事を書いた人

asuka

はじめまして。当ページを運営している、Asukaと申します。 長年、飲食関係に従事し、そこで得た経験や知識を基にした内容をメインに、記載していこうと思っております。 どうぞ宜しくお願い致します。

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