計数管理

飲食店 季節指数を使った繁忙期と閑散期の対策

Asuka Food Consulting

はじめまして。Asuka Food Consultingでは、飲食事業者様をサポートしております。※サポートのご依頼は、「サポート依頼ページ」をご覧ください。

飲食店の売上は、年間を通して一定ではありません。季節、立地、商品、販促等により売上は変化します。ここでは、様々な要因により変化する売上の中で、季節による変化について見ていきます。

writer:Asuka Food Consulting

季節指数とは

飲食店の売上は季節や立地等による外部要因、扱っている商品や自店のイベント等による内部要因によって年間を通じて変動します。

わかりやすい例として、鍋専門のお店であれば、冬場が繁忙期(はんぼうき)となり、夏場が閑散期(かんさんき)となります。氷やアイスクリーム専門店であれば、夏場が繁忙期となり、冬場は閑散期となります。(季節要因+商品要因)

また、同じ商品を扱っているチェーン店でも、ビジネス立地に出店しているお店は、7月が繁忙月になりますが、郊外に出店しているお店は、7月よりも8月の売上の方が高くなる傾向があります。(季節要因+立地要因)

季節指数とは、月毎の売上高を月間平均売上高で割った数値で表します。算出した数値をグラフ化することにより、自店の売上が季節による要因をどの程度受けているのかを把握することができます。

 

季節指数の目的

あなたのお店の繁忙期と閑散期が年間を通じてどのようになっているのかを把握することにより、人員計画や原価在庫管理、販促等の政策を効率よく実施することができるのです。

 

季節指数の算出式

季節指数は、月間の平均売上を100%とした時、各月の売上高が平均売上高を上回っているか、下回っているかを表した数値です。

 

季節指数を算出式するには、

➀ 年間の売上高の合計金額を計算する

➁ ➀を12(12ヶ月)で割り、月間の平均売上高を出す

➂ 各月の売上高を➁の平均売上高で割る

年間売上高合計 ÷ 12ヶ月 = 月間平均売上高

各月の売上高 ÷ 月間平均売上高 × 100 = 各月の季節指数

となります。

 

算出した季節指数の年間推移をグラフ化し、まずはマクロ的に見てみましょう。

 

 

季節指数の見方

 

下記の表とグラフは、あるビジネス立地のカフェ売上高とそれを基にした季節指数です。

貴方のお店の季節指数を「季節指数の算出式」を参考に作成してみましょう。

 

三年ほどのデータがあればよいですが、開業後一年ほどのお店の場合、開業月からしばらくはオープン景気を受けていますので、正確性が落ちます。

 

用意するデータは、年ごとの月間売上高のみです。エクセルなどの表計算ソフトを利用すると早いですが、利用できない場合は、紙に電卓で季節指数を計算し、グラフ化してみましょう。

 

 

 

このお店は、2月に落ち込みがあり、ピークは7月と12月ごろだとグラフから分かると思います。

従って、2月が閑散月にあたり、その後、6月にやや落ち込みますが、7月まで右肩上がりのグラフとなっているように見えます。

 

次に、2月の閑散月である売上の低い原因を探っていきます。

確かに、2月の売上は他のどの月の売上よりも低くなっています。

しかし、2月は他の月に比べて日数が少ないのです。

 

季節指数の算出方法は、一年の平均売上を100%とした場合の、各月の売上との対比ですので、月毎の日数は加味されていません。

では、各月の売上をその月の営業日数で割った、一日当たりの各月平均売上高を見てみます。

 

※1月28日間、12月30日間の営業 2012年2月は29日間の営業(閏年)

 

季節指数の数値は、売上高を使用しているので、売上高をグラフ化しても同じような変化のグラフとなりますが、上記の一日平均売上グラフのようにグラフ上の線が年ごとに分かれ、季節による影響がどの程度あるのかがわかりづらくなります。

売上は前年同月と対比することが基本ですので、前年同月を上回っているのか下回っているのかを確認するには、月間売上高(一日平均売上高)の推移を利用します。

 

一日平均売上のグラフを見ると、2月より3月の方が若干低いことがわかります。

このお店は、過去三ヵ年をみても、月毎の売上が全て前年を上回っており、優良店とみることができます。

 

このお店のように、繁忙月の売上を最大化するには、4月にスタッフの募集を始め、4,5,6月の三か月で戦力化し、7月(12月)の繁忙期に備えること。

また、売上が600万に満たないことから、社員が一人の場合、社員の代わりになるレベルの高いスタッフ数人の育成が必要になります。

2月が売上的には低くても、1日当たりの平均売上は繁忙期を除く他の月とたいして差がない為、4月から来期が始まるのであれば、2月3月に来期の予算組の時間を計画的に取らないと、来期、思った通りの売上にならない可能性もあります。

数字は貴方が店舗責任者として運営した結果を表します。数字から問題を分析し次につなげる行動を実践しましょう。

 

繁忙月と閑散月の対応

繁忙月は年間を通して売上が上がる月であり、働く側からすると多忙な月です。

事前に立てた売上目標を達成するために、営業にしっかりと力を入れ、売上の取りこぼしがないようにするべきです。

人員については、繁忙月に戦力化できているよう、事前に募集・育成を終わらせておく。

原価(食材)については、Aランク商品の品切れをおこさないことはもちろん、場合によっては仕入業者にも発注が多くなる旨、事前に伝えておく。

多忙な月が続く場合、店舗責任者である貴方自身の体調とスタッフの体調状態に注意する。

飲食店では違いがあれど、1月8月12月の年三回ほどが繁忙月にあたります。お店によっては年1回しか繁忙月がないお店もあります。

稼げるときに稼ぐのが商売の鉄則です。

閑散月は、売上に対する適正な人員配置を心がけるとともに、発注や在庫管理をしっかりと行います。

また、上記のように12月・1月が繁忙月にあたる場合は、12月の繁忙月に大掃除を行わず営業に集中し、2月ごろに大掃除するようにしましょう。

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