損益分岐点が下がれば利益が出やすくなります。
では、どのようにすれば損益分岐点を下げることができるのでしょうか?
ここでは損益分岐点の下げ方を説明します。
また、各章ごとの問題は飲食店の運営に特化しており、解くことにより、より理解が深まります。
writer:Asuka Food Consulting
>1. 図で学ぶ損益分岐点の計算方法
>2. 図で学ぶ損益分岐点を下げる方法
>3. 図で学ぶ損益分岐点の活用事例
>4. 図で学ぶ損益分岐点 限界利益とは
>図で学ぶ損益分岐点 問題集
★損益分岐点に自信のある方や、理解を深めたい方は、5.損益分岐点の問題集に、是非チャレンジしてくださいね!
Table of Contents
損益分岐点を下げる二つの方法
損益分岐点を下げるには、
変動費を下げる
固定費を下げる
の二つの方法があります。
上記について、「図で理解する損益分岐点の計算方法」で使用した、表(簡易損益計算書)を使って説明していきます。
損益分岐点売上高の計算式
まず、損益分岐点売上高の求め方をおさらいしておきましょう。
損益分岐点売上高の計算式を一つにまとめると、
最初の式を展開したのが二つ目と三つめです。
くわしくは図で学ぶ損益分岐点の計算方法参照ください。
変動費を下げる
表の原材料費率が30%から25%になれば、
変動費率は75%から70%に下がります。(下図)
そうすると損益分岐点売上高は、
60万円÷(1-70%)=200万円となります。
※固定費÷(1-変動費率)=損益分岐点売上高
ようするに、
変動費である原材料費を5%下げることができれば、損益分岐点売上高が現状の240万円から、200万円に下がるということ。
上記は、変動費の中の原材料費を例にとっていますが、変動費は原材料費と人件費、諸経費です。
変動費を下げて、損益分岐点売上高を下げようと考えているのなら、
変動費の項目すべてを見直し、5%下げる取り組みをした方が現実的です。
問題1 現状の売上高が150万円、原材料費70万円、人件費50万円、諸経費20万円、固定費15万円の居酒屋の現状の利益または損失はいくらですか?
問題2 上記の居酒屋の損益分岐点売上高はいくらですか?
解答1 150万円-70万円-50万円-20万円-15万円=-5万円
解答2 変動費の合計は、70万円+50万円+20万円=140万円です。
変動費率は、140万円÷150万円×100%≒93.3%
損益分岐点の計算式にあてはめると
固定費÷(100%-変動費率)=損益分岐点売上高
15万円÷(100%-93.3%)≒224万円となります。
この居酒屋は、今より74万円以上売上を上げないと、いづれはつぶれてしまいます。
そうならないための解決策を詳しく解説
>図で学ぶ損益分岐点の活用事例はこちら
固定費を下げる
固定費が今より5万円下がるとどうなるでしょうか?
60万円-5万円=55万円(目標固定費)
55万円÷25%=220万円(損益分岐点売上高)
となり、現状よりも、20万円損益分岐点売上高が下がります。
まとめ
変動費または固定費を下げることで、損益分岐点売上高は下がります。
損益分岐点が高くて利益がでないと諦めないこと。
本文の問題で取り上げた居酒屋は、明日からでも売上を上げないとつぶれてしまいます。売上を上げる努力は必要ですが、変動費が適正なのかどうかも調べないといけません。
次の「3.図で学ぶ損益分岐点の活用事例」では、損益分岐点を活用しより深く、この居酒屋の問題点を見ていきましょう。
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飲食店 図で学ぶ損益分岐点の活用事例
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損益分岐点を理解するには、下記の順にお読みください。
2.図で学ぶ損益分岐点を下げる方法