飲食店で原価管理するには「理論原価」「仕入原価」「実際原価」の、
三つの原価について知っておく必要があります。
三つの原価はそれぞれが単独ではなく関係性があります。
ここでは、「理論原価」を使用した原価の低減方法を説明します。
writer:Asuka Food Consulting
➀理論原価の基礎知識
➁理論原価で原価を下げる方法
➂理論原価表の作り方
Table of Contents
理論原価とは
理論原価をおさらいしておくと、
理論原価とは、
個別標準原価×出数=理論原価
個別標準原価とは、レシピ上の原価であり、それに出数をかけることにより求められます。
詳しくは
>原価の基礎知識 理論原価
をご覧ください。
理論原価管理のメリット
原価を下げることができる
理論原価をコントロールすれば、原価を下げることが可能です。
メニュー変更後の原価予測ができる
商品の追加や削除をおこなうときに、原価がいくらになるのかを予測することができます。
食材ロスを把握できる
実際原価から理論原価を引くことにより、ロス額を把握することができます。
理論原価管理表
下記はエクセルで作成した理論原価管理表です。
このお店の理論原価率は、
原価合計÷売上高合計×100%=34.5%
この 34.5%とは、あらかじめ個々の商品の原価を計算し、それをもとに算出した数値です。
ですので、理論上はこのようになりますよということです。
売上構成比とは、
各商品の売上高合計÷売上高合計×100%=売上構成比
B商品の売上構成比
33,060÷192,300×100%=43.7%
売上高に占めるB商品の割合のこと。
理論原価管理表 相乗積
下記の表は、相乗積を追加した理論原価管理表です。
相乗積の計算式は、
売上構成比×原価率=相乗積
※原価小計÷売上高合計×100%
相乗積の合計が、理論原価率と同じになります。
理論原価合計÷売上高合計×100%=理論原価率
理論原価をつかって原価を下げる方法
理論原価の「相乗積」を活用することにより、原価を予測することが可能です。
現状の原価率は、目標に対して 1.5%オーバーしている状態です。
理論原価率は、各商品の相乗積の和で求められるので、
どれかの商品の相乗積が、1.5%下がれば、目標と同じになりますよね。
ここでは、B商品の相乗積を下げることによって、目標値と理論原価率を同じにしてみます。
7.51%-1.5%=6.01%
17.2%×B商品原価率=6.01%
B商品原価率=34.9%
B商品の原価率が、34.9%に下がれば、目標値の33.0%となります。
理論原価をつかって原価を上げる方法
集客商品の導入、価格据え置きで商品1.5倍などのフェアーなど、店側の戦略によるもの
また、食材高騰による仕入れ価格の上昇により、原価がアップした場合の予測
新規出店時の計画原価計算にも理論原価は活用できます。
まとめ
理論原価の相乗積をつかえば、各商品の原価が増減したときの原価予測ができる
売上構成比×原価率=相乗積
次はこちら ↓
-
飲食店 原価の基礎知識 仕入原価
飲食店で原価を管理するには、「理論原価」「仕入原価」「実際原価」の、三つの原価について知っておく必要があります。 三つの原価は、それぞれが単独ではなく関係性があります。 ここでは基礎として「仕入原価」 ...
続きを見る
下記の内容を上から順にお読みいただくと、飲食店の原価について理解し、店舗で活用することができるようになっております。