基礎

飲食店 店長が行うべき八つの仕事

Asuka Food Consulting

はじめまして。Asuka Food Consultingでは、長年の飲食事業経験で得た、知識や経験を基に飲食事業者様をサポートしております。 ※サポートのご依頼は、「サポート依頼ページ」をご覧ください。

飲食店の店長が行うべき仕事とは何なのかを、「店長が行うべき八つの仕事」として説明します。

飲食店に就職し社員として働き始めた人が、最初に目指す役職は店舗の責任者である「店長」です。また、個人でこれから飲食店を経営する上において、経営者が現場に入り運営するのであれば、店長としてお店を運営するために必要な業務は何かを理解しておかなければなりません。

店長の仕事は、お料理を作ったり、接客をしたりするだけではありません。それらは店長の仕事のほんの一部分であり、それ以外にもお店を運営、あるいは経営するために必要な仕事があります。

ここでは店長の八つの仕事の概要を説明していきます。

writer:Asuka Food Consulting

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店長の8つの仕事

これから店長を目指す方、あるいは、既に店長として働いている方も、もう一度初心に戻り、店長の仕事の概要を下記を参考に整理してみましょう。

 

1 顧客の支持

私達の仕事の目的は、お料理や接客サービスを通じて、お客様を幸せにすること。

これが目的であり、「お客様を幸せにする」ためにはどのように行動すればよいのかが、2~8の内容になります。

 

■飲食業とは、幸せ提供業です。

私たちは、お客様にお料理を提供しています。
しかし、最終的にはお客様に幸せを提供しているのです。

お料理や接客サービスを通じて、お客様に幸せを提供することが最大の目的です。
お客様が入店されたときよりも、幸せになってお帰りいただくこと。

それが、幸せ提供業です。

 

■全ての主語はお客様

お客様に、この商品は美味しいと感じていただけるだろうか?
お客様に、この接客で良いのだろうか?
お客様に、居心地の良い空間を提供できているだろうか?

全ての行動は「お客様を幸せにする」行動になっていなければなりません。

今が忙しくても、忙しい時間は、永久的に続くことはありません。

どんなに大きな会社であれ、老舗と言われる長きにわたり運営してきたお店も、業績が良いときもあれば、悪いときもあるのです。

また、現在、苦しんでいるお店も、店長や従業員の行動が、お客様にとって幸せと感じていただける行動なのかどうかを、今一度考えてみましょう。

>お店は、働く人達が幸せになるために存在する

 

2 人材教育

店長は、教育・訓練・しつけ により、従業員を育成すること。

従業員を育成するには、「教育」「訓練」「しつけ」が必要です。

 

教育・・・飲食店の仕事を説明し、理解させることによって、ヤル気を引き出すこと。それにより、従業員のモチベーションが上がり、個々の従業員が、自分がこのお店で働く意義を見出すことができる。

訓練・・・教育により身につけた知識を活用しながら、作業を基準に沿って、繰り返しやらせること。やらせる過程においても、教育の要素は入ってくる。

しつけ・・・人により育ってきた環境が異なるため、常識という価値観も異なる。お店で働く上においての常識(決まり事)を教える必要がある。身だしなみのルールや勤務するためのルールなどを「ハウスルール」としてマニュアル化し基準を作り指導する。

成功とは成功するまでやり続けること。松下幸之助 語録
物事は初めから上手くいくとは限りません。失敗しても失敗した原因を探し出し、諦めずにチャレンジし続けている状態は失敗とは言わないのです。アルバイトを指導するとき、「失敗しないでね」「こうゆう風にすれば失敗しないから」などと指導すると、指導される側は物凄くプレッシャーを感じます。私はお店では失敗と言う言葉は使いません。「じゃあこうゆう風にしてみようか」「ここはこうした方がいいよ」と返答します。指導の基本は成功体験を増やして、言葉で承認することです。

 

■飲食業とは、人間育成業です。

お客様に幸せを提供する為には、提供する私たちが満足な仕事ができなければいけません。
お料理の味や接客サービスを追求することに限度はありません。
常に私たち自身が成長し続けなければ、お客様に追い越されてしまいます。

そうならないために、常に自分を磨き、店を磨いていくこと。

私たちの成長=お店の成長であり、会社の成長でもあるのです。

>アルバイト導入時の教育

 

3 売上利益管理

売上を上げる方法と、利益を出す方法を知っていること。

まず、売上を上げることと、利益を出すことは違うということを理解してください。

 

売上・・・売上は、客数×客単価であり、客数を増やすか、客単価を上げるかで、売上がアップする。

利益・・・利益は、売上-コスト(経費)であり、売上から原価や人件費等の変動費と、家賃等の固定費であるコスト(経費)を差し引いた残りのこと。

したがって、売上が上がっても、コストが増えると、利益は減少します。

>図で学ぶ 損益分岐点の計算方法

4 営業管理

QSC+Aを実施し、それぞれの要素が高いレベルで維持されていること。

 

商品力・・・Quality(クオリティ)

接客力・・・Service(サービス)

店舗力・・・Cleanliness(クリンリネス)

雰囲気・環境・・・Atmosphere(アトモスフィア)

 

QSC+Aは、お店を営業するための基本であり、この基本ができていなければ、長期にわたりお店を継続することは不可能です。

「お料理が美味しい」ことは大前提ですが、従業員の接客サービスが悪かったり(接客力)、お店に清潔感がなく(店舗力)、雰囲気もどことなく暗いとなれば、次回の来店はありません。

■現在のお客様は全て自分自身の基準を持っている

お客様はあなたのお店に来る前に既に色々なお店を利用しています。それによって、自分の中にお店に求める基準を既に持っているのです。初めてのお店であれば、基準に期待がプラスされ、結果として基準がさらにアップされています。

そのアップされた基準を上回る、商品力・接客力・店舗力・雰囲気 環境が店舗を利用したときに上回るだけの価値を提供できれば、次回の来店につながる可能性が生まれます。

この、QSC+Aが高いレベルで維持されているということはそういう意味なのです。

したがって、この営業管理ができていなく、流行りのSNSによる販促を実施したり、イベントやフェアーを実施しても一過性に終わるのは、根幹であるQSC+Aのレベルが低い、お客様が持っている基準を下回っているからなのです。

>QSCってなに?

5 運営管理

PDCA(マネジメントサイクル)を回し続けること。

P(計画)→ D(実施)→ C(チェック)→ A(再実施)

お店を運営するには様々なことについて計画が立てます。

例えば、商品計画。複数の商品を作り販売するとき、いくつ販売するのかの目標(Plan)を立てて販売(Do)します。その商品が目標通りに販売できているのかを確認(Check)し、もし目標以下なら、どうすれば目標数に達するのかを再度考え実施(Action)します。

他にも、売上や利益目標、新人スタッフの育成、イベントやフェアなど飲食店を運営する上において様々な事柄について、PDCAを回し続けることが必要になるのです。

 

6 情報管理

内部情報と外部情報を取得し、活用されていること。

■内部情報・・・内部情報として「顧客情報」があります。顧客情報とは、アンケートやご予約、ポイントカードや食べログ等の情報サイトからの顧客分析による、名前・住所・電話番号などのこと。

それらを個人情報保護法に基づき適切に管理し、「活用」していくことが、今後、少子高齢化や労働人口の減少、競合店対策に非常に有効な手段となります。

■外部情報・・・地域のイベントや社会行事等による自店への活用。あるいはそれによる自店への影響などを分析し、あらかじめ手立てを講じる必要があります。

また、飲食店は外部からの影響を非常に受けやすい商売でもあります。例えば、天気や天候、季節、景気、競合店等により売上高が左右されます。それらの外部情報を絶えずインターネットなどを活用し対策を実施する必要があるのです。

 

7 設備管理

店舗施設や設備機器のメンテナンスが適切に行われていること。

店舗の老朽化による痛みや機器のメンテナンスは現場を指揮する店長の役目です。

ホールであれば、エアコンやポスレジ、キッチンであれば、冷蔵庫・冷凍庫・フライヤー・食洗器など、それらの取扱説明書に記載してある日々のメンテナンスを実行し、もし故障した場合、どのように対処(修理依頼先の手配)すればよいのかを予め知っておく必要があります。

 

8 時間管理

①から⑦を効率良くこなすための時間管理方法を知り、実践していること。

 

時間管理の手順

1. 必要な作業の洗い出し

➀ 自分がやらなければならないと感じている業務を書き出します。

➁ ➀を上記の1~7の項目に当てはめます。もし、1~7に当てはまる内容でない場合は、その他として振り分けます。

2. 優先順位と劣後順位付け

1で振り分けた内容を精査します。その内容が今必要でないが、将来必要になるかもしれない場合は、劣後順位に入れておきます。

残った内容を優先順位の高い順に並び変えます。

3. 作業ごとの期限(ゴール)の決定

優先順位付けが決定すれば実施しますが、様々な作業を平行実施する場合は、それぞれの項目の期限(ゴール)を設定します。この設定は、進捗状況により変わることもありますが、期限を決めておかなければ、優先順位の下位のものの期限も先に延びていくこととなります。

4. 作業のスケジュール化

期限が決まれば、カレンダーに開始日程と終了日程(期限)を書き込んでいきます。

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