あなたのお店には、ご来店されたお客様の8割以上が注文する「商品」はありますか?
売上を上げるには、お客様を惹きつけて、常連化することです。お客様を惹きつけるには、あなたのお店を選ぶ理由が必要なのです。ここでは、お客様を惹きつけるメニューの作り方を説明します。
writer:Asuka Food Consulting
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キラーコンテンツとは
お客様の8割以上が注文する商品のことを、「キラーコンテンツ」といいます。「看板商品」や「ウリの商品」などともいいます。
キラーコンテンツがあると、繁華街の競合店が乱立する立地や、郊外の飲食店ゾーンではない立地においても、集客することは可能です。
キラーコンテンツがなぜ必要なのか
飲食店で集客をするには、お客様を惹きつける魅力が必要です。
お客様が飲食店を利用する最大の理由は、お料理が美味しいこと。
人は豊かになり、それとともに食に対する欲求も、年々高まっているのが現状です。都心だけではなく、地方にも大手外食チェーンが進出し、潤沢な資金をバックに様々な業種を展開しています。
同じ土俵で戦っている中小個人店が、大手に立ち向かっていくには、大手にはまねできない飲食店経営が求められます。
資金力に劣る中小個人店は、必然的に郊外や都心であっても二等地、三等地での出店を余儀なくされます。
そういう立地でも、お客様を惹きつける、お客様が足を運んででも食べたくなるメニューがあれば、集客し売上を上げることが可能だからです。
キラーコンテンツの4つの定義
キラーコンテンツとは、どのような商品なのか
・独自性があること
・口コミにのること
・収益商品であること
・複数あること
キラーコンテンツとは、上記の四つの内容が当てはまる商品のことです。
「独自性があること」とは
全く新しい、見たことも、食べたこともない商品を一から作るのは、今の世の中、大手でもかなりハードルは高いです。中小個人店ともなると尚更です。
自店しか売っていないということではなく、
自店を利用する顧客の商圏内で、同じ商品を販売していないということです。
その為には、
➀顧客の商圏範囲を調査する。
調査方法は、店舗を利用されたお客様へのアンケートを実施。
➁商圏範囲の競合店を調査する。
競合店に足を運び、売れている商品は何か、従業員への聞き取りや、メニュー構成から力を入れている商品、他のお客様の注文商品等から判断する。
「口コミにのること」とは
お客様がお店を探す際の情報源の一位は、「口コミ」によるものです。
口コミにのるとは、
お客様が勝手にその商品を宣伝してくれること。言い換えると勝手に宣伝したくなる商品ということです。
食べてみて美味しいこと、プラス、盛付や色合い・量・香りなど、食べる前から五感を刺激する商品であることも、口コミにのる要素になります。
商品を提供したとき、お客様が
「わー 凄い!」「美味しそう!」「きれい!」「可愛い!」などと、思わず声をあげる商品であり、提供と同時に、商品写真を撮る方が、どれだけいるのかを判断材料とすることも可能です。
「収益商品であること」とは
キラーコンテンツの条件である、8割以上のお客様が注文する商品ということは、集客にもつながる商品と言うことです。
■粗利額が大きい商品をキラーコンテンツとした場合
その商品が売れれば儲かるということです。
ラーメン屋であれば、ラーメン。レストランであれば、ハンバーグなど、そのお店が売りたい商品=粗利額が大きい商品とすることによって稼ぐ方法。
客単価は、一品平均単価×平均購入数です。
平均購入数を増やせない業種は、一品平均単価が高く、且つ、粗利益額が稼げる商品をキラーコンテンツ化する必要があります。
カフェ・レストラン・ラーメン屋など。
■粗利額が小さい商品をキラーコンテンツとした場合
お得感で集客し、他の商品を購入してもらうことで、トータルとしての粗利額を稼ぐ方法です。
その場合、その商品を含むトータルでの粗利額で考えないといけません。
ある大衆居酒屋で、刺身盛り(小箱)と言う商品があり、他店の販売価格は千円ほど。それを半額で提供。小箱は一人一品と言う制限はあるものの、その商品で集客し、他の商品で粗利額を稼ぐというやり方。
中華チェーンの餃子も同じです。但し、刺身盛りと異なり、他がまねできない、独自性も含まれています。
一品平均単価が低くても、平均購入数が高い業種であれば、有効な手段です。
居酒屋・ベーカリー・ケーキ屋など。
「複数あること」とは
キラーコンテンツが、一つではなく、二つ、三つと複数あることです。
どんな商品にも「旬」があり、キラーコンテンツも例外ではありません。
商品にはサイクルがあり、よく売れていた商品だったものが、競合店による類似商品の発売や、流行りの終焉により、出数が減少していくこともあります。
鍋料理など、冬場の特定の時期によく売れる商品がキラーコンテンツの場合、時期が外れると出数は減少します。その場合は、夏場などにキラーコンテンツとなりうる商品を開発すれば、売上を確保することができます。
同じ商品を毎日は食べれないですよね。また、複数人で外食するとき、全員が同じ商品を食べたいとならないときもあります。
実例として、牛丼店で牛丼とカレーの販売。カフェでサンドウィッチとパスタの販売。うどん屋でうどんとお寿司の販売。そのどれもが美味しいとなれば、集客、来店頻度は上がります。
キラーコンテンツを作るワード
・流行にのる・流行りをつくる
・五感に訴える
流行にのる・流行りをつくる
商品には流行りがあります。現在、流行っている商品を売り出せば、売上が上がる可能性は高くなります。しかし、注意しないといけないことは、廃ることもあるということです。
例えば、パンケーキ。一時期ブームとなりましたが、現在は落ち着いています。しかし、パンケーキが好きな一定の層には、現在も支持されています。
タピオカドリンクは、十年以上前に流行りましたが、いったん廃れて、再度、ブームとなっています。
また、流行りを作るということも可能です。チーズタッカルビなどはその例で、中小個人店でも流行りの商品を作ることが可能だと証明しました。
五感に訴える
五感とは、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚のこと。
視覚
目で見て美味しさが伝わる商品であること。肉汁溢れるハンバーグ。湯気。期待以上の大きさ。色鮮やかな見た目。盛付のセンス。
また、視覚は商品を提供したときだけではなく、商品画像を使用した看板やショーケースの商品サンプル、メニューやPOPなどで伝えることも大切です。
聴覚
シズル感。鉄板にのせて提供されたハンバーグを想像するとわかりやすいと思います。運ばれてきたとき、ジュージューと言う音により五感を刺激します。
触覚
ハンバーグをナイフでカットしたときの、ナイフから伝わる「やわらかさ」や、寒いときにテイクアウトで飲むコーヒーの容器から手に伝わる温かさ。
味覚
人が感じる味覚は、甘み・酸味・塩味・苦味・旨味の五つが基本です。それが、期待以上、あるいは、バランスが取れていると感じられること。
その他、辛さ・コク・熱い・冷たい(熱い+冷たい)などの温度。
嗅覚
匂いは脳を刺激します。商品を提供したとき、商品から出る香りにより食欲が湧き出ること。
キラーコンテンツを作るヒント
・インターネット
・ベンチマーク
・オズボーンのチェックリスト
インターネット
インターネットを活用し、現在、流行っているお店やメニュー、これから流行るかもしれない食べ物やデザートなどを検索すれば、いくらでもヒントを見つけることができます。
大手では、国内に限らず、海外からも情報を収集し、自社の商品開発に役立てています。
インターネットで見つけたお店の商品を参考にする場合、できるだけ、そのお店に輪店するようにし、実際に商品を食べてみることが大切です。
ベンチマーク
インターネットで見つけた商品をいくつかピックアップしたら、自店で販売できないかを考えます。
レシピはネットで検索します。あるいは、youtubeなどで実際に調理している動画を参考にしましょう。
オズボーンのチェックリスト
オズボーンのチェックリストとは、オズボーンが考えたアイデア出しのリストです。
これを利用して、自店の顧客に合うように改良します。
転用: 他の使い道はないか?
応用: 他からアイデアを借用できないか?
変更: 変えてみるとどうなる?
拡大:大きくしたらどうなる?
縮小: 小さくしたらどうなる?
代用:他に代用できるものはないか?
置換: 入れ替えてみたらどうなる?
逆転:逆さにしてみたらどうなる?
結合:組み合わせてみたらどうなる?
キラーコンテンツ化するためには
店側が売りたい商品をキラーコンテンツ化するには、マーケティングの4Pを意識して進めます。
➀ Product(プロダクト)・・・・・商品
キラーコンテンツ化したい商品は、最低でも2~3品とする。商品名、商品説明
➁ Price(プライス)・・・・・・・価格
販売価格を利益積み上げ型とするか、競合店参考型とするか
➂ Place(プレイス)・・・・・・・販売経路
店内・テイクアウト・デリバリー・物販・ネット販売等
➃ Promotion(プロモーション)・・販売促進
メニューブック構成・店内店外POP・チラシ作成・SNSはどれを使用するかなど。
三か月で結果を出す
めでたく商品を販売出来たらそれで終わりではありません。
常連のお客様は、いつも同じ商品を注文します。一品で完結するような量の商品なら、なかなか新しい商品を食するということはありません。
従業員がお声がけし美味しさを説明することにより食べていただく努力「商品を育てる努力」をしていきましょう。
勝手に売れる商品は勝手に売れなくなります。売る努力をして育てた商品は息も長いです。
データは毎日、週間、月間で必ず分析してください。
それによりキラーコンテンツとなりうるのか、そうでないのかを判断する為です。
重要なことは、「三か月で結果がでなかったら、廃止することも検討する」ということです。
試食の段階で「美味しい」となってもお客様に支持されないということも多々あります。
一番よくないことは、
努力し続ければ、いつかは売れるだろうと考えることです。
上記を参考に、キラーコンテンツ化しようと発売したが、思うような結果にならなかったら、その商品は、あなたのお店の商圏内の顧客に支持されなかったということなのです。
販売の段階で売れないことも視野に入れて
① 第一弾販売と同時に第二弾のキラーコンテンツ作りに取り掛かる
② キラーコンテンツ以外の施策を平行して実施する
➂ ABC分析を利用し、既存商品の中から、キラーコンテンツ化できる商品はないかを考える
商品は販売するまで、売れるかどうかわかりません。
一つの商品にお店の命運をかけると失敗したときに取り返しがつかなくなります。