人時売上高とは、従業員一人が一時間に稼ぐ売上高のこと。
ここでは、基礎として、人時売上高とはなにか、人時売上高を上げるにはどうすればよいかを説明します。
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人時売上高とは
「人時売上高」は、「ニンジウリアゲダカ」と読みます。
人時売上高とは、売上高を総労働時間(社員+PA)で割ることにより、
従業員一人の、一時間当たりの売上高を表した数字です。
(従業員一人が、一時間に稼ぐ平均売上高のこと)
人時売上高は、売上高と総労働時間との関係です。
したがって、給料や時間給の高低に左右されないため、扱いやすい指標です。
人時売上高を求める式
売上高 ÷ 総労働時間 = 人時売上高
目標 5000円以上
人時売上高を求める計算式を使って、下記の問題を解いてみましょう。
問題1
売上高 10万円/日
総労働時間 30h/日
人時売上高はいくらになりますか?
問題2
売上高 300万円/月
人件費 95万円/月
社員人件費 25万円/月
PA時給 1000円
社員の月間労働時間を200hとした場合、月間人時売上高はいくらになりますか?
問題1解答
10万円 ÷ 30h = 3333円
問題2解答
95万円-25万円=70万円
(PAの月間人件費)
70万円÷1000円=700h
(PAの月間労働時間)
700h+200h=900h
(PAと社員の総労働時間)
300万円÷900h=3333円
あなたお店の、先月の月間人時売上高を算出してみましょう。
人時売上高を上げる方法
人時売上高とは、従業員一人が、一時間に稼ぐ売上高ですので、高い方が良いわけです。
人時売上高を上げるには、
計算式より、売上高を上げるか、総労働時間を下げることにより、アップします。
ココに注意
労働時間を下げるときに気をつけること
下げ過ぎたがために、お料理の提供が遅れたり、接客対応が雑になったりすると、お客様にご迷惑が掛かってしまい、客数減少、売上減につながります。
人時売上高を正しく上げるには、売上高を上げる努力をしながら、適正な人員配置を行う必要があります。
適正な人員配置を行うには、売上予測に基づいた、勤務シフト組が必要ですが、その前に、各々の従業員の能力を把握して、営業レベルまで引き上げる(育成)しなければなりません。
人員削減(時間帯当たりの労働時間の削減)を行うのであれば、サービスレベルが低下しないかを先に考えます。
人員削減する方法
・新人をいつまでに育成するのか
・過剰サービスの廃止
・ホールとキッチンのオペレーションの見直し
・ホールとキッチンの導線の見直し
・タッチパネル注文の導入
・外注サービスの導入
・劣後順位(やらないことを決める)づけ
ココに注意
人員削減することにより、仕事が増えるのではなく、サービスレベルを低下させずに、仕事を減らすことにより、人員削減する方法を考えてみましょう。
人時売上高(式)を分解する
人時売上高の式を分解すると、人時売上高をアップする具体的な方法が見えてきます。
売上高は、客数と客単価に、
労働時間は、必要労働時間と不必要労働時間にわかれます。
売上は、客数と客単価の積ですので、客数を上げるか、客単価を上げる。
総労働時間は、必要労働時間を確保しながら、いかにして不必要労働時間を削減するかを考えることにより、人時売上高はアップします。
■必要労働時間とは、
最低この時間はこれだけの人数の従業員がいないと、お客様にご迷惑が掛かってしまうという従業員の人数のことです。
これを決めるのに、接客生産性という指標もありますので参考にしてください。
■不必要労働時間とは、
売上に対して過剰な人員配置による従業員数のことです。
・一人でできる仕事を二人でする。
・暇なのにシフト通りの勤務をさせる。
・新人への教育不備により、規定時間をオーバーする。
「人員削減する方法」と合わせて考えましょう。
人時売上高を使用した勤務シフト作成方法
目標売上高と目標人時売上高を決めることにより、目標労働時間が計算されます。
この目標労働時間を基に勤務シフトを作成します。
お店の昨年度の人時売上高を、下記の表を参考に作成してみましょう。
目標人時売上高は昨年同月の数字を参考に調整すればよいでしょう。
表の労働時間の中には、社員の労働時間を含んでいますので、社員の労働時間を引いた分が、PA労働時間です。
労働時間をコントロールするには、PA労働時間をコントロールします。
まとめ
人時売上高とは、従業員一人が一時間に稼ぐ売上高のこと。
売上高 ÷ 総労働時間 = 人時売上高
目標人時売上高は、5000円以上
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